猫島・田代島の魅力と行き方完全ガイド【宮城県】

猫好きなら一度は訪れてみたい――そんな“猫の楽園”が、東北地方にも存在します。それが、宮城県石巻市にある「田代島(たしろじま)」。

「猫島」として知られるこの小さな離島には、住民よりも多くの猫たちが暮らし、訪れる人々に癒しと笑顔を与えてくれます。

本記事では、田代島の基本情報からアクセス方法、猫とのふれあい方まで、現地でのマナーや注意点を含めて詳しくご紹介します。

猫たちとの素敵な出会いを楽しむための“旅の教科書”として、ぜひ最後までお読みください。

田代島ってどんな島?

帰属:国土交通省が作成し、国土地理院が配信する国土画像情報(カラー空中写真)

田代島は、宮城県石巻市に属する小さな島で、石巻市の中心部から約17キロメートル離れた場所に位置しています。

三陸復興国立公園に含まれ、コバルトブルーの海に囲まれた風光明媚な島です。

寒いイメージのある地方ですが、気候は温暖で、寒暖の差が少なく、冬でも月平均気温が0度以下になることはありません。

島内には温帯常緑広葉樹のタブノキの大木が自然に繁茂しています。

「猫島」として知られ、島民の数は48人(令和6年)であるのに対し、猫の数は100匹を超えています。猫は大漁を招く縁起の良い生き物として昔から大切にされ、猫神社も存在するほど。

猫の島として観光を続ける姿勢であるため、田代島では猫に避妊・去勢手術を全頭には行っておらず、集落によって猫が増えすぎることが懸念される場合のみ手術で対応しているそうです。

自然の成り行きに任せて暮らしている猫たちですが、不思議なことに猫の数は常時150匹前後なんだとか。

田代島への行き方

画像引用元:網地島ラインHP

仙台から石巻まで

  • JR利用:JR仙台駅からJR石巻駅まで(快速 約60分 / 各駅停車 約85分 運賃858円)
  • 車利用:仙台東ICから石巻河南ICまで(約40分 料金1,080円)、石巻河南ICから石巻駅まで(約20分)
  • 高速バス利用:仙台駅前(エデン前)21番のりばから石巻駅前まで(約80分 運賃900円)

石巻駅から船着場まで

  • 石巻中央発着所への行き方
    • ミヤコーバス蛇田線「石巻駅前」→「いしのまき元気いちば」下車
      (いしのまき元気いちば行:約7分 運賃160円)
    • 「いしのまき元気いちば」から徒歩約5分
  • 石巻門脇発着所への行き方
    • ミヤコーバス山下門脇線「石巻駅前」→「門脇二丁目」下車
      (石巻警察署前方面行:約14分 運賃290円、いしのまき元気いちば方面行:約8分 運賃180円)
    • 「門脇二丁目」から徒歩約5分

石巻から田代島まで(フェリー)

  • 石巻中央発着所から:田代島(大泊港 / 仁斗田港)まで約40分 1,250円
  • 石巻門脇発着所から:田代島(大泊港 / 仁斗田港)まで約30分 1,250円

※その他詳しい船の発着時刻・料金については 網地島ライン株式会社(☎0225-93-6125)へお問い合わせください。

石巻中央発着所付近の宿泊施設【3選】

【菊池旅館】

菊地旅館は、創業80年の歴史を持つ石巻の旅館。東日本大震災で半壊したものの、多くの支援により営業を再開。「温もり」と「癒し」を大切にした、家庭的な雰囲気が自慢の宿です。

素泊まり:本館5000円~、新館6000円~
朝食付き:本館5750円~、新館6750円~
夕食付き:本館6700円~、新館7700円~
二食付き:本館7550円~、新館8550円~

【よあけの猫舎】

よあけの猫舎は、昭和レトロな雰囲気の一軒家をリノベーションした宿泊施設です。

3匹の猫(クロちゃん、ふーちゃん、シャア子ちゃん)が一緒に暮らしており、猫との触れ合いを楽しみながら、ゆったりと過ごせる家庭的な雰囲気が魅力。

宿泊料金は1泊4,500円/1名で、女性または女性を含むグループのみ宿泊可能。

【石巻民泊かめハウス】

石巻民泊亀ハウスは、宮城県石巻市にある犬と一緒に泊まれる民泊施設です。完全予約制で、宿泊は1日1組限定!

初回の宿泊料金:素泊まり一泊4500円
2回目以降の宿泊:素泊まり一泊3500円
ワンコ同伴の場合は、1頭につき一泊500円
冬季は灯油代として、一室あたり一泊500円が追加となります。

島での猫との接し方とルール

猫とのふれあいはこの旅の醍醐味ですが、島で暮らす猫たちと長く良好な関係を築くためには、ルールを守ることがとても重要です。

田代島では、猫たちが島民と共に穏やかに暮らしています。そのため、訪問者も“猫の住まいにお邪魔する”という意識を持つことが求められます。

以下は、猫と接する際の主なマナーとルールです。

  • 猫に無理に触らない: 人懐っこい猫もいれば、警戒心の強い猫もいます。無理に抱っこしたり追いかけたりしないこと。
  • 餌を与えない: 猫たちは地元の方やボランティアにより管理されており、観光客によるエサやりは衛生面や健康管理上、禁止されています。
  • 島の施設や住居に立ち入らない: 猫を追って民家の敷地に入るなどは絶対にNG。プライバシーを尊重しましょう。
  • 写真撮影は静かに: フラッシュは使用せず、猫の驚くような音や動作を避けるのがマナー。
  • ごみの持ち帰り: 島内にはごみ箱がほとんどありません。出したごみは持ち帰るようにしましょう。

田代島の猫たちと仲良くなりたいなら、「猫のペースに合わせて、そっと見守る」のが一番です。

おすすめ猫スポット

田代島に訪れたなら、猫との出会いを最大限に楽しむために、事前に「猫に会えるスポット」を把握しておくのが旅の満足度を高めるコツです。

島内はそれほど広くないため、徒歩で回れる距離に猫スポットが点在しています。

まずご紹介するのは、島のシンボルとも言える「猫神社」。仁斗田港から徒歩約15分の小高い場所にあり、島の猫たちの守り神として信仰されています。

鳥居の前には猫の像が置かれ、周囲には実際に猫たちがゆったりと寝そべっていることも少なくありません。

神社の境内は静けさに包まれており、猫と落ち着いた時間を過ごすにはぴったりのスポットです。

観光客の多くがここで記念撮影を楽しんでおり、「田代島 猫神社」という検索ワードでも人気の場所です。

次におすすめなのが、「旧田代小中学校」周辺です。この校舎はすでに閉校していますが、建物の周囲には広場があり、昼寝中の猫やじゃれ合う子猫たちの姿をよく見かけます。

特に日当たりの良いベンチや階段に猫が集まりやすく、観察するには最適です。ここでは地元の方々が設置した猫用の休憩所もあり、猫が安心して過ごせる環境が整っています。

無理に近づかず、遠くからそっと見守るだけでも猫たちの自然な表情を楽しめるはずです。

また、仁斗田港周辺も見逃せません。田代島で最も人が集まるエリアであり、フェリーの発着所でもあるため、観光客との交流に慣れた猫たちが多く集まっています。

特に朝の時間帯には、地元の漁師さんの作業を興味津々で見つめる猫や、釣り人の横でおこぼれを待っている猫たちの姿が見られます。

猫好きな旅行者にとっては「田代島 仁斗田港 猫」と検索されるほど定番の場所となっています。

田代島の徒歩での移動は片道30分ほどで済み、途中で猫に遭遇することも多いため、道中も飽きることはありません。

時間に余裕があれば、島内の路地を散策してみるのもおすすめです。思いがけない場所で、ひょっこりと顔を出す猫に出会えるでしょう。

田代島はまさに“猫とのふれあいを主役にした旅”が叶う場所です。

猫に会いたい、癒されたいという願いを持って訪れた人々が、満足して帰れる島。それが「猫島」としての田代島の魅力なのです。

田代島の猫たちの生活と背景

田代島が“猫島”として知られるようになった背景には、昔ながらの島の暮らしと、猫との深い関わりがあります。

かつてこの島では漁業と並んで養蚕業が盛んでした。蚕を天敵であるネズミから守るため、猫が大切な存在として飼われていたのです。

その名残から、今でも島では猫が神聖な存在とされ、猫神社まで建立されています。

田代島の人口は年々減少傾向にあり、高齢化も進んでいます。そのため、猫の世話や島の維持管理は決して楽な状況ではありません。

観光客のマナーが猫の生活に大きな影響を与えるため、訪れる際には「島に暮らす猫たちを見せてもらう」という意識が必要です。

田代島の猫たちは、島の歴史そのものであり、訪れる人々に癒しだけでなく、命の尊さや共存の意味を教えてくれます。

まとめ:猫たちと共に、静かで温かな時間を過ごす

田代島は、ただ猫が多いだけの場所ではありません。そこには、長い歴史の中で人と猫が共に歩んできた温かな背景があります。

猫たちは決して“観光のために置かれた存在”ではなく、島の自然の一部です。訪れる私たちにできるのは、その暮らしを尊重しながら、猫たちのありのままの姿を楽しむこと。

日常の喧騒から離れ、ゆっくりと猫の時間に寄り添う――そんな旅が、ここ田代島では叶います。

猫好きにとって、そして癒しを求めるすべての人にとって、田代島は心に残る特別な島になることでしょう。

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