【関東編】猫にまつわる寺社仏閣【10選】

日本各地には「猫と人との不思議な縁」を感じられる寺社仏閣が点在しています。

関東地方には、猫供養や迷子猫の祈願で知られる寺社、境内で自由気ままに暮らす猫たちと触れ合えるスポットまで、猫好きにとって見逃せない聖地が揃っています。

今回は、関東地方にある猫ゆかりの寺社仏閣を10箇所ピックアップしました。

伝説や御朱印、そして実際に出会える猫たちまで――旅の合間に立ち寄れば、きっと猫たちの不思議な力と温もりを感じられるはずです。

豪徳寺|東京都世田谷区

画像引用元:豪徳寺HP

豪徳寺は、「招き猫発祥の地」の一つとして有名な猫寺です。境内の招福猫児(まねきねこ)が並ぶ光景はまさに圧巻。

「招き猫発祥の地」と言われる所以は、江戸時代に遡ります。貧しかった住職が飼っていた白猫が、彦根藩主・井伊直孝を寺へと手招きし、雷雨を避けさせたのだとか。

この出来事をきっかけに井伊家が寺を菩提寺としたことで寺は栄え、猫が「福を招く縁起物」として広まっていきました。

豪徳寺の招福猫児は小判を持っておらず、人との「縁」をもたらしてくれます。福そのものを招いてくれるのではないので、人との「縁」を生かせるかどうかは、あなた次第です。

今戸神社|東京都台東区

画像引用元:今戸神社HP

今戸神社は「招き猫発祥の地」の一つとして知られ、猫好きや良縁を願う参拝者が絶えない人気の神社です。

江戸時代、この地の焼き物職人が初めて作ったとされる「今戸焼の招き猫」が誕生し、以来「幸運を招く猫」として信仰を集めてきました。

境内で特に目を引くのは、白いペアの「夫婦招き猫」。御祭神イザナギ・イザナミが日本最初の夫婦神であることから、縁結びの象徴として奉納されたものです。

招き猫縁起にちなんで、『夏目友人帳』アニメシリーズの制作スタッフと声優などの関係者が、ヒット祈願の祈祷を第一期・第二期それぞれ受けたことでも知られています。

自性院|東京都新宿区

画像引用元:自性院HP

自性院は、「猫寺」として親しまれ、戦国武将・太田道灌(どうかん)を救った黒猫の伝説が伝わっています。

敵軍に追われていた道灌を、一匹の黒猫が手招きをするように自性院へと案内しました。難を逃れた道灌は深く感謝し、猫地蔵を造立して奉納したのが「猫寺」と呼ばれる由来。

この猫地蔵は秘仏で、普段は非公開ですが、毎年2月3日の節分会にのみ御開帳されます。境内には猫地蔵堂や猫塚があり、三味線の材料にされた猫たちを供養する碑も建てられています。

年に一度の節分会には、護摩法要や福豆まきが行われ、地元の人々や全国の猫ファンが集まる賑わいを見せます。

蚕影神社(猫返し神社)|東京都立川市

画像引用元:蚕影神社HP

蚕影神社(こかげじんじゃ)は、「猫返し神社」の名で全国の愛猫家に知られています。

その名の通り、“行方不明になった猫が無事帰ってくる”というご利益で信仰を集め、境内には「ただいま猫」と呼ばれる白い狛猫像が参拝者を優しく迎えてくれます。

「猫返し神社」としての名が広まったきっかけは、ジャズピアニスト山下洋輔さんの実体験。行方不明になった愛猫を思い、蚕影神社に祈願したところ、翌日に帰宅。

再び迷子になった際も祈願からわずか4日で戻ったのだとか。山下さんがこの出来事をエッセイで紹介したことで、全国の愛猫家が訪れるようになりました。

美喜井稲荷神社|東京都港区

画像引用元:トリップアドバイザー

境内には、通常の稲荷神社のように狐ではなく、猫をモチーフにした神使の像が置かれていることが大きな特徴です。

「美喜井」という猫が飼い主を火事から救ったものの、猫は火事で命を落としたという物語が伝わっています。

祀られる霊神は京都の比叡山から降りてきた高位の神とされ、この神様の信仰者は「蛸を食べてはいけない」という独特の習わしがあります。

赤坂の一等地にあり、赤坂豊川稲荷のすぐ隣という利便性も魅力の一つです。

三光稲荷神社|東京都中央区

三光稲荷神社は、五穀豊穣や商売繁昌の神様が祀られている神社です。また、「猫の神社」とも呼ばれ、古くから失せ猫祈願に霊験があるといわれています。

猫が無事に帰ったら、お礼として境内に猫の置物を奉納する人が数多くいます。猫の幸せや家族の無事を求める人たちの願いが込められており、猫好きの参拝者に人気のスポットです。

三光稲荷神社は地域の人々や問屋の守護神としての役割のみならず、猫の守り神としても知られ、多くの猫好きや家族連れが参拝に訪れます。

世良田祇園八坂神社|群馬県太田市

画像引用元:八坂神社HP

世良田祇園八坂神社は千年以上の歴史を誇る古社です。立派な鳥居や荘厳な木造拝殿が並ぶ境内は、訪れる人を静かな神気で包み込みます。

この由緒ある神社が“猫にまつわる聖地”としても注目を集めるきっかけとなったのは、毎月22日の「猫の日」に頒布される特別な猫御朱印。

可愛らしい猫のモチーフと神社の印が組み合わされたデザインは、全国の猫好きの間で話題となり、この日には多くの参拝者が集まります。

絵馬掛け所には「うちの子が元気で過ごせますように」「虹の橋の向こうでも幸せで」といった祈りの言葉が並び、人と猫の絆を感じさせる温かな光景が広がります。

長楽寺|栃木県那須郡

画像引用元:那須の長楽寺てらねこ

栃木県の長楽寺は、奈良時代の創建と伝わる真言宗の由緒ある寺院です。かつては経典や米をネズミから守るために猫が飼われており、その名残から現在も猫との縁が続いています。

現在では8匹の猫が寺でのびのびと暮らし、参拝者を出迎える姿が人気を呼び、「にゃんこ寺」として全国から注目を集めています。

長楽寺の名を一躍有名にしたのは、住職と猫たちの穏やかな日常を切り取ったSNSの投稿。発信される映像には、猫たちと朝食を囲む微笑ましい様子が映し出され、見る人の心を癒しました。

また、夜中に賊の襲撃を知らせて住職を救ったという猫の伝承も残されており、感謝を込めて建立された猫地蔵は、今も“守り猫”として大切にされています。

下野厄除大師|栃木県壬生町

画像引用元:下野厄除大師HP

下野厄除大師は、真言宗の密教寺院です。厄除け・方位除けの祈願寺として広く知られていますが、実は“猫寺”としても注目を集めています。

こちらのお寺には「にゃんにゃん堂」があり、そこでは保護猫たちが暮らしています。住職ご夫妻が猫をこよなく愛しており、野良猫の保護を続けてきたことがきっかけで猫が増えました。

寺院のシンボルとして、赤と白の巨大な招き猫がいます。また、猫をモチーフにしたお守りや御朱印も頒布されており、季節限定の猫御朱印は、参拝の記念としても人気です。

特に猫の日(2月22日)やお大師さまの縁日には、全国の猫好きが集まり、猫たちとのふれあいを楽しみながらお参りをしています。

報徳二宮神社|栃木県日光市

画像引用元:日光市公式観光WEB

報徳二宮神社は、学問と経営の神様として知られる二宮金次郎を祀っている神社です。境内には珍しい「狛猫」も鎮座しており、ペットの健康や長寿を願う象徴として親しまれています。

野良猫や地域猫が境内にのんびりと遊びに来る姿も見られ、参拝者は猫たちに癒されながら参拝することができるかもしれません。

報徳二宮神社は、学問と経営の神である二宮尊徳の教えに寄り添いつつ、猫好きたちの心を掴む癒しのパワースポットです。

まとめ

関東地方には、豪徳寺や今戸神社といった招き猫のルーツを持つ寺社から、迷子猫祈願の「猫返し神社」、そして実際に猫たちが自由に暮らす「長楽寺」や「下野厄除大師」まで、猫との縁を感じられる場所が数多く存在します。

猫を大切に思う気持ちは時代を超えて人々の心に息づいており、こうした寺社仏閣はただの観光スポットに留まらず、猫と人との共生の歴史を伝える大切な場所です。

次の休日には、ぜひ猫に導かれるようにこれらの寺社仏閣を訪ねてみてください。きっとあなたの心もふわりと癒され、特別なご縁を感じられることでしょう!

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