【中部地方編】猫にまつわる寺社仏閣【7選】

古くから日本人にとって猫は、田畑を荒らすネズミを退治する守り神であり、時に不思議な霊力を持つ存在として信仰されてきました。

中部地方にも、そんな猫と深い縁を持つお寺や神社が点在しています。

招き猫の伝説を伝える寺、境内でのびのび暮らす地域猫と出会える神社、猫供養や保護活動を続ける場所まで、訪れる人の心を和ませる猫スポットが豊富です。

今回は中部地方に絞り、猫ゆかりの寺社仏閣をご紹介します。旅の合間に立ち寄れば、きっと猫たちの不思議な力と温もりを感じられるはずです。

龍泉寺|愛知県名古屋市

「猫寺」として広く知られる龍泉寺は、名古屋を代表する癒しのスポットのひとつです。境内には多くの猫が自然体で暮らしており、その自由で穏やかな姿に参拝者は心を和ませます。

猫寺となったきっかけは、戦後間もない頃。動物好きの住職が先代の住職に「犬は大食で難しいが、猫なら共に暮らせる」と言われて猫を飼い始めたことでした。

住職は、「猫は一定の欲が満たされればそれ以上は求めない。その姿から『足るを知る』という大切さを学んだ」と語っています。

気に入れば居つき、合わなければ去っていく――そんな自由なコミュニティが自然と守られているのも龍泉寺ならでは。

龍泉寺の猫たちは、単なる「看板猫」ではなく、寺の歴史と地域の人々に寄り添い続ける存在。猫好きにとっては必見の寺院であり、心をほっとさせる特別な場所です。

玉野御嶽神社|愛知県春日井市

春日井市の山麓にたたずむ玉野御嶽神社は、慶応3年(1867)に創建され、明治15年に現在地へ遷座された歴史ある神社です。猫と触れ合える神社としても知られています。

境内には10匹以上の愛らしい猫が暮らしており、まるで神社の案内人のように参拝者を迎えてくれることも。

また、猫をモチーフにした御朱印やお守りも授与されており、猫好きにとっては必見のスポットです。訪れるたびに違う猫に出会えるのも楽しみのひとつです。

洞雲寺|愛知県常滑市

画像引用元:常滑観光ナビ

常滑といえば招き猫の町。その中でも洞雲寺は、“猫寺”として知られています。最大の見どころは、本堂に祀られる「寧護大師(ねこだいし)」――猫の顔をした弘法大師像です。

ふっくら丸い猫の顔に大師の装束をまとったユニークな姿は、参拝者から「見ているだけで頬が緩む」「猫の姿に癒される」と評判で、猫好きの聖地とも呼ばれる存在。

洞雲寺の「寧護大師」は、ただ可愛いだけでなく「足るを知る」「調和して生きる」という仏教の教えを猫の姿で表現しているとも言われます。

猫の自由でしなやかな生き様と仏教思想が融合したこの寺は、猫好きだけでなく、心の安らぎを求めるすべての人にとって魅力的な場所です。

笑福招喜猫神社|愛知県常滑市

画像引用元:AichiNow

愛知県常滑市は、招き猫の一大産地。そんな常滑市にある「笑福招喜猫神社」は、常滑焼の名工・伊奈武八氏が原型を手掛けた御神体の黒猫が祀られているユニークな猫神社です。

御神体の黒猫は力強い眼差しで神々しさと神秘性を感じさせ、地元の人や観光客の安全と幸福を祈願する存在となっています。

この神社は常滑市の複合施設「まちの駅 常滑焼ヤマタネ」の店内に設置されています

猫が大好きな人にとっては、招き猫だらけの空間そのものがパワースポット。参拝すれば、招き猫たちからの福を分けてもらえるかもしれません。

「笑福招喜猫神社」は、地域の猫文化と陶芸の伝統が融合し、訪れる人々に癒しと幸運を届ける現代的な猫神社として親しまれています。

桜井寺|愛知県岡崎市

画像引用元:ウィキペディア

岡崎市の山間にひっそりと佇む桜井寺は、戦国時代には今川義元や徳川家康など名だたる武将の信仰を集めた歴史的にも由緒ある寺院とされています。

そんな桜井寺で、参拝者の心を和ませているのが白黒ハチワレ猫の「ニャン君」。もともとは境内に迷い込んできた野良猫でしたが、今では桜井寺の“顔”ともいえる存在になっています。

人懐っこい性格で、参拝者が石段を上ってくると駆け寄ってきたり、境内でのんびり過ごす姿を見せてくれたりします。

市外からわざわざニャン君に会いに訪れる人も多く、「ニャン君に会えると縁起が良い」と感じる参拝者も少なくありません。

御誕生寺|福井県越前市

画像引用元:ふくいドットコム

「福井の猫寺」と呼ばれる御誕生寺は、境内に数十匹の猫が暮らすことで有名です。地域猫の保護活動にも力を入れており、捨て猫や保護猫の新しい飼い主探しも行っています。

御誕生寺が猫寺と呼ばれるようになったのは、住職が偶然保護した数匹の猫がきっかけでした。その後、多いときには100匹近くに達したこともあるそうです。

現在も20匹前後の猫が修行僧や住職の手で大切に世話され、健康管理や不妊手術、里親探しまで徹底して行われています。

境内をのびのびと歩く猫たちの姿に癒されようと、全国から猫好きが訪れる人気スポットです。

御朱印や猫モチーフのお守り、さらには「招き猫おみくじ」「にくきゅう型お守り」などユニークな授与品もあります。

康泰寺|静岡県島田市

画像引用元:康泰寺HP

康泰寺には「しあわせ猫地蔵」が祀られています。これは、猫好きの住職が元野良猫で副住職の「みけ」にちなんで2024年5月に作られたもの。

「みけ」が来てから寺には良いことが続いたため、「みけが運んでくれた幸せを参拝者にも広げたい」との住職夫妻の願いが込められています。

しあわせ猫地蔵は、「幸せを引っかけて運んでくる」と言われる“かぎしっぽ”が特徴。

お参りでは、猫をなでるようにそっと撫でながら幸運を祈願する形式で、誰もが自然に笑顔になる癒しスポットとなっています。

まとめ

中部地方には、猫と人との深いつながりを感じられる寺社仏閣が数多く残されています。

それぞれの場所に共通しているのは、「猫はただ可愛い存在であるだけでなく、人々の暮らしや祈り、信仰と共に歩んできた」ということです。

旅の合間にこうした猫ゆかりのスポットを訪れれば、きっと心がふっと和み、猫がもたらす小さな幸せと不思議な力を感じられるでしょう。

猫を愛する人も、地域の文化や歴史に触れたい人も、中部地方の猫寺・猫神社巡りを次の旅の目的地に加えてみてはいかがでしょうか。

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