【関西編】猫にまつわる寺社仏閣【10選】

猫は昔から人間と深いつながりを持ち、時に神の使いとして、時に癒やしの存在として私たちのそばに寄り添ってきました。

そんな猫たちの姿は、日本各地の寺社仏閣にも色濃く残されています。

関西地方には、狛犬の代わりに「狛猫」が佇む神社や、猫の恩返し伝説が息づくお寺、さらには黒猫を御使いとする信仰まで、猫にまつわる不思議で魅力的なスポットが数多く点在。

この記事では、関西地方の「猫と深い縁を持つ寺社仏閣」を10選ご紹介します。

かわいいだけではない、猫に託された祈りや物語を知れば、きっとあなたも猫と一緒に巡る旅に出たくなるはずです。

金刀比羅神社|京都府京丹後市

画像引用元:ウィキペディア

金刀比羅神社の末社である木島神社に祀られているのは、養蚕の神様。

養蚕業における天敵は「ねずみ」で、蚕や繭を食い荒らすため、守り神として猫が大切にされていた歴史があります。

そういう経緯もあり、木島神社の入口を守護しているのは狛犬ではなく狛猫。阿形の狛猫は子猫を抱いており、愛嬌があります。

この狛猫は令和2年9月1日に京丹後市指定文化財に指定されました。木島神社には、狛猫御守や狛猫朱印、狛猫絵馬などもあります。

梅宮大社|京都府京都市

画像引用元:ウィキペディア

梅宮大社は歴史も古く、平安時代初期に創建された神社で、子授け・安産の神様や酒造の神様を祀っています。また、「猫神社」として有名で、境内には約10匹の猫が。

猫たちは社務所の横にあるお昼寝スペースでのんびり過ごしたり、境内をパトロールしたりしていて、訪れる人々を癒やしてくれます。

拝観料を支払うと、広大な敷地の池泉式回遊庭園「神苑」に入ることができ、観光目的としてもオススメ。四季折々の花を楽しみつつ、猫とも触れ合えるスポットです。

猫猫寺(にゃんにゃんじ)|京都府京都市

画像引用元:猫猫寺HP

猫猫寺は、「猫」をテーマにした世界でも珍しい寺院型ミュージアムです。正確にはお寺ではありません。

築100年の古民家を改装した館内は、襖絵や天井画、仏像まですべて猫づくし。 ご本尊は招き猫の「だいにちにゃらい」で、祭壇や仏像も猫モチーフと猫づくし。

定休日は火曜日(祝日を除く)で、営業時間は11時から17時。入場料も必要なのでご注意ください。

入場料
  • 猫猫寺・・・大人800円 小人300円
  • 猫族歴史博物館(にゃんぱく)・・・大人800円 小人300円
  • 猫猫寺+猫族歴史博物館セット料金・・・大人1,200円 小人500円

※ 障害者手帳をお持ちの方は200円引きになります。

因幡堂 平等寺|京都府京都市

画像引用元:因幡堂 平等寺HP

因幡堂 平等寺は、病気の治癒、子宝、安産などにご利益がある仏様が祀られていますが、がん封じのお寺として最も有名です。

また、猫にこだわりがあるのか、猫が描かれた御守があったり、猫の譲渡会が開かれたり、いたるところに猫の姿が見られます。

『無病息災』の無病を六猫(むびょう)とかけて六猫御守が売られていたり、6匹の猫のポップが飾られていたり、とにかく猫だらけ。

境内には飼い猫もいるそうですが、去勢手術が施されたさくら耳の地域猫もウロウロしています。

称念寺(猫寺)|京都府京都市

画像引用元:称念寺HP

称念寺は、動物供養において広く親しまれており、通称「猫寺」と呼ばれています。このお寺の云われは、「猫の恩返し物語」。

称念寺の3代目和尚は一匹の猫を大切に飼っていました。自らの食を削ってでも可愛がるほどの深い愛情を注いでいたといいます。

ある名月の夜、托鉢から疲れて帰った和尚は、その猫が美しい姫の姿に化けて舞っているのを見つけます。

「苦しい時に浮かれているとは何事か」と怒り、心ならずも愛猫を追い出してしまいました。

後日、猫が和尚の夢枕に立ち「明日訪れる武士を丁重にもてなせ」と告げました。和尚がその通りにすると、衰えていた寺は再び栄えることに。

以後、称念寺では動物の霊を手厚く供養するようになり、猫をはじめとした「いのち」との深い結びつきを今に伝えています。

檀王法林寺|京都府京都市

画像引用元:ウィキペディア

檀王法林寺には「日本最古の黒招き猫伝説」が伝わっています。

檀王法林寺には「主夜神尊(しゅやじんそん)」が祀られており、主夜神は夜を守る神として、盗難や火災を防ぐご利益があるとされ、その御使いが黒猫。

江戸時代中頃には、主夜神尊の名を刻んだ黒い招き猫が作られ、日本最古の「黒招き猫」として信仰を集めました。

右手を挙げた独自の姿は他で模倣を禁じられるほど特別なものだったそうです。

現在も毎年12月の第1土曜日には「招福猫・主夜神大祭」が行われ、秘仏・主夜神像の御開帳や、江戸後期の招き猫を復刻した御守が授与され、多くの参拝者でにぎわいます。

住吉大社 楠珺社(なんくんしゃ)|大阪府大阪市

画像引用元:住吉大社HP

楠珺社には、商売発達・家内安全の神様が祀られています。古くから商いを営む人々から篤い信仰を受けてきました。

毎月の「初辰(月初めの辰の日)」に参拝すると「発達(初辰)」するというゲン担ぎで信仰され、参拝の証として招福猫(招き猫)を神社から授かります。

これを48ヶ月間(4年間)続けると「始終発達」(しじゅうはったつ=四十八辰)となり、満願成就するのだとか。

招福猫には2種類あり、左手を挙げた猫は人招き、右手を挙げた猫は金招き。これを奇数月には左手を、偶数月には右手の猫を求める慣習があります。

小さな招福猫を4年間集めて48体をそろえ、それを神社にお返しすると一回り大きな招福猫(中猫)と交換可能。

これも左右2種類あり、さらに大きな猫へと交換しながら、商売の発展と繁栄を祈願するのだそうです。

上宮天満宮|大阪府高槻市

画像引用元:上宮天満宮

大阪府高槻市にある上宮天満宮は、福岡の太宰府天満宮に次いで2番目に古い天満宮とされています。

境内の裏には「猫祠」があり、猫神社としても知られる場所。お賽銭箱の上には「家族」というタイトルの3匹の猫の銅像が。

この祠は、猫、犬、小鳥、など、ペットとして人間の生活に深く関わってきた小動物を守り、祀る神社として建立されました。

ペットの守護神としても人気で、学業成就とともに愛猫の健康を祈る人々が絶えません。

西明寺|滋賀県甲良町

画像引用元:西明寺HP

西明寺の言い伝えによると、以下のようなエピソードがあるそうです。

大僧正・海公が西明寺の門前を通った際、二匹の黒猫が陰からこちらを見ているのを感じ、猫を追っていくと、荒廃していた西明寺に辿り着きました。

天台の名刹である西明寺がこんなに荒れ果てているとは知らなかった海公が、これをきっかけに寺の再興に着手します。

その後、復興した西明寺の不真面目な僧侶が修行をサボって居眠りしていると、夢の中で黒猫に「しっかり精進せよ」と告げられ、僧侶たちは心を入れ替え、寺の維持に努めました。

それ以来、西明寺では猫(特に黒猫)が仏様の使いとされ、歴代住職は猫を家族同様に大切にしてきたといいます。

たま大明神|和歌山県紀の川市

画像引用元:和歌山電鐵株式会社HP

和歌山県の貴志駅のホームにある「たま大明神」は、伝説的な猫駅長「たま」を神様として祀った神社で、地域の観光名所として大変人気があります。

たま駅長は和歌山電鉄の危機を救った功績から、2015年に亡くなった後に大国主命の神力を受けて「たま大明神」として神格化されました。

ここでは「縁結び」「商売繁盛」「学業成就」「開運出世」「安全祈願」など多くのご利益があるとされ、商売や学業の成功、安全運転祈願などで多くの人が訪れています。

まとめ

関西地方には、猫を御使いや守護の象徴として祀る神社や、猫伝説が残るお寺が多く存在します。

単なる動物としてではなく、人々の生活や祈りに深く関わってきた猫の姿は、現代の私たちにとっても大きな魅力です。

観光として訪れるのはもちろん、猫好きなら御守や絵馬などを通じて特別なご利益をいただくこともできるでしょう。

かわいらしい猫と伝説の世界を辿る「猫旅」。関西地方を訪れる際には、ぜひ今回紹介したスポットを巡ってみてください。きっと心が温かくなる体験が待っています。

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