【猫の毛づくろい完全ガイド】撫でられた後に即グルーミングする理由と5つの役割

猫を撫でてあげたら、すぐに毛づくろいを始めた…。まるで「あなたの手で身体が汚れたじゃない!」と突っ込まれたようで、少し切ない気持ちになったことはありませんか?

実はそれ、嫌がっているわけではなく、猫にとってはとても大切な習性なのです。

本記事では、猫が撫でられた後に毛づくろいする理由と、グルーミングが持つ5つの役割について解説します。

撫でられた直後に毛づくろいする理由

猫が撫でられた後に毛づくろいを始めるのは、「自分の匂いを整えるため」です。

結論から言えば、「撫でられて嫌だった」のではありません。もし本当に嫌なら、その場で耳を伏せたり、しっぽを叩きつけたり、噛むなどの抗議行動をとるからです。

人間の手には、様々な環境の匂いがついています。撫でられることで猫自身の匂いが上書きされると、猫は安心できる「自分の匂い」に戻そうと毛づくろいをします。

これは本能的な行動であり、むしろ「リラックスして行動できる証拠」です。

毛づくろいの5つの役割

猫にとって毛づくろいは、ただ身だしなみを整える行為ではありません。そこには清潔を保つ、リラックスする、体温を調節する、血行を促すといった多彩な機能が隠されています。

まさに、猫が健康で快適に暮らすために欠かせない“オールインワンのセルフケア”といえるのです。ここからは、毛づくろいが持つ5つの重要な役割を詳しく見ていきましょう。

身体を清潔に保つ

猫は一日の3〜5割の時間を毛づくろいに使うといわれています。猫が毛づくろいを最も大切にする理由は、自分の身体を清潔に保つことです。

被毛が整っていれば、匂いを消して獲物や敵に察知されにくくなります。お風呂に入らなくても猫の毛がサラサラで匂いが少ないのは、この自己メンテナンスのおかげなのです。

リラックスとコミュニケーション

毛づくろいには、気持ちを落ち着かせる効果もあります。母猫が子猫を舐めることで安心させるように、成猫もグルーミングを通じて気持ちをリセットするのです。

また、仲間同士で毛づくろいをし合う「アログルーミング」は、猫同士の信頼関係を深める大切なコミュニケーション手段でもあります。

冬場の防寒効果

猫の被毛は「主毛」と「副毛」で構成されています。毛づくろいによって副毛の間に空気を含ませることで、断熱材のような働きをします。

寒い冬でもふんわりとした毛に守られ、体温を逃がさず保つことができるのです。

夏場の冷却効果

逆に暑いときには、毛づくろいが天然のクーラーになります。

唾液をたっぷりつけることで被毛を湿らせ、その蒸発による「気化熱」で体温を下げる仕組みです。夏場に猫が頻繁に毛づくろいしているのは、暑さ対策の一環でもあります。

マッサージ効果

猫の舌には「糸状乳頭」という小さな突起がびっしり並んでいます。

毛づくろいをして、この舌で毛を梳かすだけでなく、皮膚を刺激して血行促進やマッサージ効果を得ています。健康維持にもつながる、まさに万能ケアです。

ちょっと意外? 転位行動としての毛づくろい

叱られたとき、喧嘩の最中、失敗した直後などに突然毛づくろいを始めることがあります。これは「転位行動」と呼ばれ、気持ちの動揺を落ち着けるための行動です。

毛づくろいのほか、あくびや鼻を舐めるのも同じカテゴリに入ります。人間でいえば「つい貧乏ゆすりしてしまう」感覚に近いものです。

飼い主ができるサポート

猫の毛づくろいは基本的にセルフケアで十分ですが、長毛種やシニア猫は被毛の管理が追いつかないことがあります。

そのため、定期的なブラッシングや毛玉対策は飼い主の大切な役割。

毛づくろいのしすぎで脱毛や赤みが出る場合は、ストレスや皮膚病の可能性もあるため、早めの受診がおすすめです。

ブラッシングアイテムの選び方

猫のセルフグルーミングは優秀ですが、特に長毛種や換毛期には飼い主のサポートが欠かせません。そこで大切なのが、猫に合ったブラッシングアイテムを選ぶことです。

定期的なブラッシングで毛玉や飲み込む毛の量が減り、毛球症のリスク軽減にもつながります。

さらに、ブラッシングは猫とのスキンシップ時間にもなり、信頼関係を深めるきっかけにも。したがって、猫の毛質と好みに合わせた道具選びが、快適で健康な毎日のために重要です。

グルーミングを嫌がる猫への対処法

中には、ブラッシングやグルーミングを嫌がる猫もいます。その場合、無理強いしないことが大切猫に「気持ちいい」と思ってもらう工夫が必要なのです。

短時間から始め、撫でられてリラックスしているときに軽くブラシを当て、終わったらすぐにやめる。「もっとやってほしい」と感じるタイミングで止めるのがコツです。

逆に嫌がって暴れるときに無理に続けると、苦手意識が強まってしまうので注意しましょう。

猫のペースを尊重しつつ、ポジティブな体験として積み重ねることが解決への近道です。

まとめ

猫が撫でられた後に毛づくろいするのは、嫌だからではなく、匂いや被毛を整えて安心するためです。

そして毛づくろい自体は、清潔保持・リラックス・防寒・体温調整・マッサージといった多機能な役割を持っています。さらに、気持ちを切り替える「転位行動」としても活躍。

毛づくろいは猫の健康を支える自然な習性ですが、飼い主のサポートによってさらに快適で安全な生活が実現します。

正しいブラッシングアイテムの選択と、嫌がる猫への優しいアプローチを組み合わせて、愛猫のグルーミングライフをサポートしてあげましょう。

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