【まるで人間!】ネコも失敗したらごまかすんです

この記事で使用した画像は『感動猫動画』さんから許可を受け、投稿動画のキャプチャ画像を掲載させていただいています。

2022年に投稿された『感動猫動画』さんのある動画に、こんなシーンが収められています。

餌に夢中の鳩の群れに、のら猫が低姿勢で忍び寄る——
……はずが、道のど真ん中でまる見え。

当然ながら、鳩たちは徐々に距離を取り、やがて一斉に飛び去ってしまいました。そしてその後、のら猫はというと……

カメラを向けられた瞬間、大きなあくび

まるで「今のは狩りじゃなくて、伸びをしただけだし?」とでも言いたげに、しれっとした顔で「すん(ΦωΦ)」と立ち尽くすのでした。

実はこの行動、専門的には「転位行動」と呼ばれる現象なんです。

転位行動ってなに?

転位行動とは、動物が「攻撃したい」「逃げたい」といった相反する欲求の間で葛藤しているとき、本来その場面に関係のない行動を突然取り出す現象です。

代表的な転位行動の例
  • 縄張り争い中の魚が突然水底の穴を掘る
  • 猫が緊張状態で毛づくろい(グルーミング)や爪とぎをする
  • 人間が失敗したときに頭をかく、緊張して貧乏ゆすりをする、やけ食いに走る

転位行動は、心理的ストレス・不安・緊張などが高まったときに、自分の気持ちを落ち着けるための無意識の行動です。

これは動物にも人間にも共通する自己調整機能と考えられています。

一過性であれば心配いりませんが、頻繁に繰り返す場合はストレスの根本原因の見直しが必要かもしれません。

日常生活の中でもよく見られる行動なので、「あれ?なんで今その動き?」と思ったときには、ぜひ猫の心の動きを想像してみてください。

猫の転位行動を知ることで、猫とのコミュニケーションがもっと深まり、日々のふれあいがより楽しくなるかもしれません。

鳩に逃げられたのら猫の“切ない背中”

道の真ん中。そこには、ひとり取り残された猫がぽつん。

猫は身体を低くしてそっと近づいていたものの、隠れているつもりで全然隠れていない。それに気づいた鳩たちは、じわりじわりと離れていき、ついには全員いなくなってしまいました。

ぽつんと立ち尽くす野良猫の背中が、なんとも切なくて、愛おしい。そしてそこで見せたあの「あくび」こそが、失敗した気持ちを紛らわせる転位行動だったのです。

猫はそもそも鳥を捕まえるのは苦手

じつは、猫が空を飛ぶ獲物を捕まえるのは苦手だということをご存じでしょうか?

飛ぶ生き物、特に警戒心の強い鳩のような鳥は、ちょっとやそっとのステルス行動では簡単に近づけません。

猫の狩猟本能は確かに優れていますが、もともと彼らは地面をすばしっこく動き回る小さな獲物、とくにネズミやモグラのようなげっ歯類を得意としています。

  • 足音をほとんど立てずに歩ける「忍び足」
  • 聴覚と嗅覚が非常に鋭く、小動物の動きをすぐ察知できる
  • 獲物の習性(動くものに反応する)に対してピンポイントで狙いを定められる

これらの特徴が、地上でチョロチョロ動くネズミたちに対しては大きな武器になるのです。しかし、猫は優れたハンターであると同時に、決して「万能」な捕食者ではありません。

だからこそ、失敗した狩りのあとに見せる「ぽつん」とした後ろ姿や、「なんでもなかったよ」と言いたげな態度が、私たちの心をくすぐるのかもしれませんね。

まとめ|猫の失敗と転位行動を知ると、もっと好きになる

猫の「転位行動」は、彼らの感情の揺れを垣間見るヒントです。

失敗したとき、緊張したとき、恥ずかしいとき——

猫はそんな場面で、あくびをしたり、毛づくろいをしたりして、気持ちをリセットしようとしているのです。

今回ご紹介した動画のように、狩りに失敗したあとに“しれっと”する猫の姿は、まるで私たち人間のよう。

それを知ることで、猫との距離がぐっと縮まり、より深く愛おしく感じられるかもしれません。

次に猫が「意味不明な動き」をしたときは——「照れ隠しかな?」と、そっと見守ってあげてくださいね。

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