潮の香りがほんのり漂う、とある漁港の駐車場。車も人もまばらで静かな雰囲気が広がっています。そんな中、ふと視線を向けると、堂々と昼寝をしている4匹の野良猫を見つけました。
まるでここが自分たちの特等席だと言わんばかりにくつろいでいて、その姿に思わず笑みがこぼれます。野良猫と戯れるのが趣味の男性は、猫たちに近づかずにはいられません。
※この記事は感動猫動画さんの動画をもとに創作された物語に、野良猫との安全な触れ合い方や出会いのヒントといった役立つ情報を加えて構成しています。
この物語を通じて、野良猫との素敵な出会いの可能性と、そのために知っておきたい大切なことをお伝えします。
爆睡する茶トラ猫

最初に目に留まったのは、茶トラ猫です。手足を投げ出し、大胆に寝そべっている様子は「警戒? なにそれ?」と言わんばかりの無防備さ。
猫は一日の多くを眠って過ごす動物で、平均して13~16時間、場合によっては20時間近く眠ることもあります。
猫の睡眠は「浅い眠り(レム睡眠)」が多く、物音や気配ですぐに目を覚ますのが特徴です。熟睡している時間は意外と短く、合計で3時間程度ともいわれています。
特に日差しの暖かい日や静かな場所では、その姿勢も実に無防備です。まさにここは“猫のオアシス”といった雰囲気。
あまりに気持ちよさそうなので、そっと背中に手を伸ばしてみました。

しかし、まったく反応する気配がありません。熟睡しているのか、それとも心が広いのか…とにかく、されるがままに撫でられています。
このように熟睡できるというのは、猫がその環境を“安全”と感じている証拠。つまり、この漁港は彼らにとっての理想的な住処なのでしょう。
その光景をうらやましそうに眺めていたのは、白い靴下を履いた黒いハチワレ猫です。

ついに我慢できなくなったのか、「あの、ぼくもお願いできますか…?」というように、そろりそろりと近づいてきました。
撫でてあげると、嬉しそうにしっぽをピンと立ててスリスリ。

そのとき、爆睡していた茶トラ猫が急に目を覚まし、何事かと飛び起きてしまいました。
しかし、眠気には勝てなかったようで、すぐに寝返りを打つと、またすやすやと夢の世界へ戻っていったのです。
逃げ腰の猫が一転、甘えん坊に

続いて、そばで様子を見ていたまだら模様の猫にも手を伸ばしてみました。
すると、はじめは「やばい、逃げなきゃ!」という表情だったのですが、撫でられると一転、「おお…これは至福…!」と言わんばかりにゴロゴロと喉を鳴らしながら体を預けてきます。
猫の“心変わり”の早さには驚かされますが、これは信頼の証。人間が想像する以上に、猫は敏感に相手の気配を察しています。
そんな猫たちの姿を横目に、半分まぶたが閉じかけた状態でこちらをぼんやり見つめているキジトラ猫。

「眠そうだけど、撫でたら喜ぶかな?」

近づいてみると、案の定ビクッと立ち上がりましたが、手が触れた瞬間、尻尾をぴんと天高く突き上げて「気持ちいい~!」と全身で表現していました。

気づけば、4匹の猫たちが私のまわりに集結し、まるで「撫でられリレー」を楽しんでいるかのようです。
先程のまだら模様の猫も、「ぼくをもっと撫でてください!」と横入り。
野良猫との接し方:優しさとマナーが大切
野良猫と接する際は、以下のポイントを大切にしましょう。
- 無理に近づかず、猫の反応を見て判断する
- 食べ物を与える際は、周囲への配慮を忘れずに
- 撫でるときは手をゆっくり近づける
- 体調の悪そうな猫を見つけた場合は、地域の保護団体へ連絡を
こうした配慮が、猫たちとの信頼関係を築き、心温まる時間へとつながります。
特に餌を与える際はゴミを必ず持ち帰るようにしましょう。これは最低限のマナーです。
しかし、猫島がテレビで取り上げられるなどして猫のいる場所には観光客が多く訪れるようになり、猫のおやつのゴミが散乱している様子を目にするようになりました。
毎日のように猫スポットを歩き回っている感動猫動画さんなどはそういった状況に危機感を持っています。
猫と戯れるときにおやつをあげたくなる気持ちはわかりますが、ゴミの処理は確実!個包装ではなくチューブ型のおやつを持っていくと蓋もできてゴミも減らせて衛生的です。
猫たちとの穏やかなひととき

車のエンジン音が遠く聞こえるだけの静かな午後。
風に乗って運ばれてくる海の匂いと、猫たちの小さな寝息に包まれて、時間がゆっくり流れていきます。
「もう少しここでゴロゴロしていたいなあ」と思わず感じる、なんとも穏やかで平和なひとときでした。
きっと4匹の猫たちも、同じように「また遊びに来てくれるといいニャ」と思っていることでしょう。
そんな何気ない出会いが、漁港の優しい風の中で、私と猫たちの心にほのかな温もりを残してくれました。
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