潮の香りがほんのり漂う、とある漁港の駐車場。車も人もまばらで静かな雰囲気が広がっています。そんな中、ふと視線を向けると、堂々と昼寝をしている4匹の野良猫を見つけました。
まるでここが自分たちの特等席だと言わんばかりにくつろいでいて、その姿に思わず笑みがこぼれます。野良猫と戯れるのが趣味の男性は、猫たちに近づかずにはいられません。
※この記事は感動猫動画さんの動画をもとに作成された創作物語です。
爆睡する茶トラ猫

最初に目に留まったのは、茶トラ猫です。手足を投げ出し、大胆に寝そべっている様子は「警戒? なにそれ?」と言わんばかりの無防備さ。
あまりに気持ちよさそうなので、そっと背中に手を伸ばしてみました。

しかし、まったく反応する気配がありません。熟睡しているのか、それとも心が広いのか…とにかく、されるがままに撫でられています。
その光景をうらやましそうに眺めていたのは、白い靴下を履いた黒いハチワレ猫です。

ついに我慢できなくなったのか、「あの、ぼくもお願いできますか…?」というように、そろりそろりと近づいてきました。
撫でてあげると、嬉しそうにしっぽをピンと立ててスリスリ。

そのとき、爆睡していた茶トラ猫が急に目を覚まし、何事かと飛び起きてしまいました。
しかし、眠気には勝てなかったようで、すぐに寝返りを打つと、またすやすやと夢の世界へ戻っていったのです。
逃げ腰の猫が一転、甘えん坊に

続いて、そばで様子を見ていたまだら模様の猫にも手を伸ばしてみました。
すると、はじめは「やばい、逃げなきゃ!」という表情だったのですが、撫でられると一転、「おお…これは至福…!」と言わんばかりにゴロゴロと喉を鳴らしながら体を預けてきます。
そんな猫たちの姿を横目に、半分まぶたが閉じかけた状態でこちらをぼんやり見つめているキジトラ猫。

「眠そうだけど、撫でたら喜ぶかな?」
近づいてみると、案の定ビクッと立ち上がりましたが、手が触れた瞬間、尻尾をぴんと天高く突き上げて「気持ちいい~!」と全身で表現していました。

気づけば、4匹の猫たちが私のまわりに集結し、まるで「撫でられリレー」を楽しんでいるかのようです。

先程のまだら模様の猫も、「ぼくをもっと撫でてください!」と横入り。
猫たちとの穏やかなひととき

車のエンジン音が遠く聞こえるだけの静かな午後。
風に乗って運ばれてくる海の匂いと、猫たちの小さな寝息に包まれて、時間がゆっくり流れていきます。
「もう少しここでゴロゴロしていたいなあ」と思わず感じる、なんとも穏やかで平和なひとときでした。
きっと4匹の猫たちも、同じように「また遊びに来てくれるといいニャ」と思っていることでしょう。
そんな何気ない出会いが、漁港の優しい風の中で、私と猫たちの心にほのかな温もりを残してくれました。
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